テキスト:青空文庫
■■楢の木鉱物標本室■■
【花崗岩】

(画像はランダムハウス講談社のものです)
標本室なんて云っておきながら、花崗岩一個だけの画像で申し訳ない。
こんなの誰でも知ってるよね。
でもこのお話に登場する騒々しいやつらは、みんなこの石の中に入ってるの。
だからこれ一個でオッケーなの。オールインワンなのです。手間がはぶけて良かった・・・って、そういう話ではないか。
さて楢の木大学士が通りがかった石切り場に、落っこちていた花崗岩の石っころ。
この中に、ほら、色違いのつぶつぶしたやつが詰まってるでしょ。このつぶつぶたちが、てんでにお喋りしているわけなのだ。
最初に喧嘩をはじめた二人はホルンブレンド(普通角閃石)と、バイオタイト(黒雲母)。
両方とも、石の中で黒いつぶつぶに見えている結晶体です。
そこに仲裁に割り込むのがオーソクレース(正長石)なのだが、こいつは双子であるらしい。双晶といって、同じ種類の結晶が仲良くくっついていたりするらしい。
この双子、いやに落ち着き払った声を出していますが(自分で聴いてても可笑しい)、これは音声を二重化する都合上、ゆっくり読んでみたまでのこと。
他の結晶たちについても、声にかぶせて鉱物的BGM(?)を付けるなど、いろいろ隠蔽工作しています。たくさんの台詞を声だけで読み分けることのできない技術のなさをうやむやにしようという魂胆でね。
いや、そうじゃなく、ええとつまり、話者と台詞の関係がわかるように、それぞれの鉱物ごとの効果音を目印代わりに付けているわけです。
ジッコさんと呼ばれた磁鉄鉱も、お医者さんのプラジオクレース(斜長石)も、終盤で唐突に出現するクォーツ(石英)も、みんな花崗岩の中のつぶつぶたち。花崗岩の構成鉱物です。
この岩石は長い年月を経て風化して、最後は砂か粘土に成り果てます。
みんなが風邪をひいておなかが痛い痛いとわめいているのは、この風化作用にすでに彼らが蝕まれていることを示しているのです。
登場はしないけれど、会話の中で嘘つき呼ばわりされているコングロメレートという人がいました。この人だけは花崗岩とはまったく別の石、堆積岩の一種です。
地下でマグマが冷え固まって出来上がった花崗岩とは、生まれた環境も時代も育ちも違うので、それでお日さまの色がどうのこうのと異論が出てくるのですね。
こういったお話をもっともっと知りたい方、もっと詳しく専門的に知りたくなってむずむずしてきた方にはこちらのサイトをおすすめします。
地学と宮澤賢治
鉱物についての高度な知識が賢治のこの物語の中に、どれだけ緻密に細やかに(きらめく造岩鉱物のように)散りばめられているのかが、大変よくわかるサイトです。
朗読及びこの文を書くにあたって随分と参考にさせていただきました。




seedsbookさんの処でときおり通りすがらせていただいている“み組”と申します。宜しくお願いいたします。
seedさんと貴方のコメントのやりとりを拝読しているうちに、なんとなく温かい気分になってしまって、うっかりと貴方のサイトを拝見させていただきました。そしたならば、すごくユニークで、まだいっぺんには拝聴できませんが、面倒くさがり屋の僕にはぴったりのサイトと言うか・・・・朗読されているのは貴方ですか。なんだかseedsbookさんのやりとりの文面のイメージと朗読の感じもピッタリ符合していて癒されました。
「死者の書」etc,もちろん賢治も・・・をこれから折りをみて聞かせて戴きたく思っております。
そこで貴方にお願いがあるのですが、ボクがすぐに貴方のサイトへ飛んでゆけるように、ボク自身のブログに貴方のリンクのボタンを張らせていただけるととても嬉しいのですがいかがでしょうか。
どこの馬の骨かわからないわたしですが、許可いただければ幸甚です。
図々しくてごめんなさい。
朗報をお待ちしております。御免候
思いがけない訪問をいただいて、
嬉しく舞い上がってます。
馬の骨だなんてとんでもない。プロフ拝見しました。そしたらなんと、東京でブックデザイナーをしているわたしの友人が、あなたの学校の後輩で、あなたのお名前も、彼は知ってました。世界は狭いですね。
さてリンクの件、何の異存もありません。これからもよろしくおつきあいのほどお願い致します。(さっそく先にリンク張っちゃった)
あとでゆっくり遊びに行きますね♪
ところで・・・・、なッなんと!その方はどなたでしょうか。お恥ずかしいかぎりですが、これを機に、どうかゆるゆるとおつき合い下さい。
そいつは誰かというと・・・うーんと名乗るほどのものじゃない、と云ってました(うそ)
はい。Page Voiceさんで結構で御座います。